Secret Lovers
そんな時、突然理科実験室の扉が開いた。
扉に背を向けていた私は、どうせ三田への用事で来た生徒か教師だろう、と、振り向かずに書き進めていた。
すると、三田は怠そうに「おー、周防」と片手を上げて、室内へ招き入れた。

“え、周防奏多!?”

その言葉を聞いて、ばっと振り向くと、そこには彼の言う通り、少し嫌そうな顔をする周防奏多がいた。

「……三田先生」
「なんだよ、周防。そんなとこに立ってないで、早く入れ」
「いや、でも……」
「ほら、また前みたいに親衛隊に見つかるぞ」

三田の言葉に、周防奏多は素早く入室し、後ろ手で扉をしめた。
よほど親衛隊に見つかることを恐れているらしい。

“意外……。騒がれて喜ぶナルシストってわけじゃないんだ……”

一つ偏見がなくなったものの、私の中ではやはり親友を泣かせた敵として認定されたままだった。
そんな周防奏多は、一度も私と目を合わさず、迷惑そうに「……三田先生」と助けを求めている。

「……なんで僕、睨まれてるんですか」
「それはほら、ライオンの目から見るとシマウマは餌にしか見えないわけで」

“意味のわからない例え話で、私の印象を下げるなっ!!”

そして、何故か後ずさる周防奏多。
この男たち、失礼にもほどがある。
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