Secret Lovers
「はい!三田先生!私は書き終わったので!」

まだ私は、周防奏多を落とす準備が出来ていない。
早くこの場から去りたい。
反省文を机に叩きつけ、私はカバンを手に取った。

「あー、待て待て、佐川」
「何ですか?私今日は宿題が山ほどあって……」
「書き直し」

三田は少し目を通すと、私の目の前にずいっと押し返した。
ちゃんと1000字丁度で出したはずなので、書き直させられる言われなんてない。

「何でよ!」
「お前、最後の400字、全部『ごめんなさい』って。呪いの手紙かよ」
「反省してんだからいいじゃないですか!」
「反省してるならせめて『申し訳ございません』にしろ。その方が文字数も画数も多い上に、漢字まで使えて賢そうに見える」

どうやら口では勝てないらしい。
私はカバンから手を離し、大人しく椅子に腰掛けて残りの400字を書き直し始めた。
腑に落ちないため、口元は自然にへの字に曲がる。
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