Secret Lovers
思わず、また数秒彼を見つめてしまう。
そして、少し安心もした。

“怖がらせてたんじゃ、なかったんだ……”

目がコンプレックスだから、少し被害妄想気味だったのかもしれない。
それにしても、印象が全然違う。
思ったよりひどい人じゃないかもしれない。

“いや、そう見せかけて、とか?”

またそうやって疑い始めてしまう。

「いや、シマウマじゃないとは言ったけど……見すぎ」
「あぁ、すみません」

また観察体勢に入ってしまった。
驚きすぎたせいではあるが、何より、この周防奏多という人物を知りたいという気持ちからであるのは、少しも間違っていない。

「……先輩って、聞いてた感じと違いますね」
「そう?」

周防奏多は少し片眉をあげ、ようやく私を見た。

「うん。もっと、なんて言うか、気取っているというか、見下してる?いや、違う……。うーん。何ですかね?」
「僕に訊かれても……。君だって、印象とは違うよ」
「印象付くほど私は有名人じゃないし、先輩とも話してないと思いますけど?」
「僕だって有名人じゃない」

何の迷いもなく言い放つ彼に、今度は違う意味でびっくりした。
意外にこういうことは本人は無自覚なのかもしれない。
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