Candy House
身長もそんなに高くないうえに化粧もしていないから、まだ10代のように見えるのかも知れない。

「就職先もまだ決まってないうえに、頼れる友達もいなくて…」

「まあ、友達に頼るのは難しいよな。

向こうには向こうの事情って言うものもあるし、実家暮らしの子には迷惑をかける訳にはいかないしな…。

あ、でも荷物とかは…」

「これ、1つです」

あたしはそれまで背負っていたリュックサックを指差した。

「これに5日ほどの着替えと預金通帳と実印が入ってます」

「ケータイは?」

「1月の終わりに解約しました。

持っていてもお金だけがかかっちゃうので、いらないものは全部切り捨てて…」

「あー…」

上野さんは納得したような、戸惑っているような表情でうなずいた。
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