Candy House
上野さんは人差し指で頬をかくと、
「若いのに、結構苦労したんだね」

一言そう言うと、あたしから目をそらすようにうつむいた。

「上野さん?」

えっ、何?

急にどうしたの?

突然の彼の様子に、あたしはどうすればいいのかわからなかった。

…もしかしたら、考え直しているのだろうか?

せっかく見つけたと思った就職先と住むところを、また探さないといけないのだろうか?

そう思っていたら、
「はい、今日はナポリタンね」

安部さんの声と共に、テーブルのうえに大皿に盛られた山盛りのナポリタンが置かれた。
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