手をのばす
以前ほどぼそぼそとした声にはならない。


まだためらいはあるけれど、沙耶以外の人とも普通に言葉を交わすことができるようになっていた。



ほんとうに、いつの間にかの変化だった。


きっと沙耶と二人で楽しく過ごしている雰囲気が、周りにも伝わっているのだと思う。


明るい輪や、光を、二人で作り出しているんだろう。



すべてがうまく回りだした。



< 39 / 203 >

この作品をシェア

pagetop