いきば〜禁断の蕾〜(完結
文句を言う気力さえ、蕾には残っていなかった

乱れた服装を直し

のろのろと立ち上がると窓を拭き

床を拭き

物を片付けた

毎日、自分が掃除している事もあり

大して汚れてもなかった

直ぐに仕事は終わり

そのまま自室に戻る

電気を着け

投げ散らかした服を拾うとハンガーに掛ける

メイド服もハンガーに掛けた

私服に着替えると、やっと動きやすくなった気がした

「あっ勉強しなきゃ」

蕾は呟く

中間テストが1週間に迫っていた

テーブルにノートと教科書、筆記用具を出し

分からない所にマーカーしたり
書き移したりした

静かな部屋
響くのはペンを走らせる音だけ

不意に視界が滲む

ポタッと落ちた滴はノートに染みを作った

「あれ?」

蕾は呟くと手で目元を拭った





いつの間にか溢れ出していた

拭っても拭っても止まらない涙

「止まらない」

その止まらない涙は、せきを切った様に止めどなく流れ落ちる



「初騎君」



蕾は、呟きうつ向いた













翌朝

学校に行く蕾

教室に入ると

「おはよう」

いつもの様に、先に来ている親友に挨拶をした
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