いきば〜禁断の蕾〜(完結
初騎は、イラつく心を押さえる様に寝返り


窓の外に目を向けた



丁度、夕暮れ時



空は赤く染まり、綺麗だ

奥の方は、うっすら暗く始めていた。

この空が、青空ならば
心は落ち着いたらかも知れない


だが、今は夕暮れ

赤い空


その色は更に自分の心に寂しさを生んだ


ガラ―

急に勢い良く開けられた扉に驚き振り返る初騎

彩乃なら、いくら何でも早過ぎるだろう

自分の目の先には息を切らせた男

「初騎様お久しぶりです」

男は、初騎に近寄り息を切らせたまま余裕無く挨拶をする

「蕾様を知らないですか?」

続けて言うと男は心配そうに初騎を見る

どうやら、ただ事では無い様子

「あっ申し訳ありません私は運転手の…」

「桜井!蕾に何かあったのか」

ガバッっとベットから起き上がり
桜井を鋭い目線で見る初騎

「ええそれが、何処を探しても見つから無いのです」

焦る運転手は早口になる

「どういう事だ!」

初騎は、此処が病院だという事を忘れて叫ぶ

「ええ、それか…

今、私が名乗る前に名前を」


桜井は、ハッとして初騎を見つめる

桜井が自己紹介する前に初騎は桜井の名前を呼んだのだ
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