いきば〜禁断の蕾〜(完結
「前聞いた」

初騎は、本を読みながら相変わらずソッケ無く言う

『なんだ』

とか

『向こう行け』

とは言われ無いので
蕾は、そのまま初騎の隣で本を覗き込んでいた。

元々暇してたので、反って初騎の隣に居た方が幾分かましである

初騎の本には、挿絵があった

字が読めずとも、その挿絵で大体の話しは掴めた

初めは、小さい人と女の子の挿絵だった

ページをめくると、今度は女の子が皿を拭いていた。

周りに
お父さんや、お母さんの挿絵は無い

この子も私と同じ

お父さんと、お母さんが居なくて
だから働いているのかな

蕾は、その女の子に自分を重ね合わた

ページがまた、めくられた

真っ赤な林檎を持っお婆さんと笑う女の子

何だか、お婆さんは意地悪く笑っている

嫌な感じ

蕾は、お婆さんを沙希と重ね合わせる

初騎がページをめくると
女の子は倒れ
かじり欠けの林檎が転がっている

お婆さんの姿は無い


思わず
ヒッと悲鳴にも似た声を上げ顔を青くする蕾

それに気付いた初騎は、蕾の耳元で『大丈夫だ』と呟いた

驚いて初騎を見る蕾

相変わらず顔色も変えず本を見る初騎

空耳だったのか?と思わせる程
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