完璧上司は激甘主義!?
エレベーターで下に降りて外へ出ると、横づけされていたのは黒のワンボックスカー。
ちょっと意外だった。南課長がこんな大きな車に乗っていたなんて。
少し驚いていると助手席の窓が開き、運転席から南課長が顔を覗かせた。

「早く乗るように」

「はっ、はい!」

咄嗟に返事をしてしまったものの、どこに乗ったらいいの?
助手席?いやいや、いち部下の分際で助手席はないよね。そうなると後部座席に乗ればいいのかな?
そう判断し後部座席に乗ろうとしたものの、南課長が口を開いた。

「新、前でいいから」

「前……ですか?」

それってつまり、助手席ってこと?

驚き固まっていると、「早く乗るように」と再度急かされ、つい「はい!」と返事しながら助手席のドアを開き、乗り込んだ。
その瞬間、爽やかなペパーミントの香りに包まれた。
南課長らしい芳香剤のチョイスに、つい口元が緩みそうになる。

「乗ったらシートベルトをしめて」

「はい!!」

慌てて口元を紡ぎ、急いでシートベルトをしめる。
それを確認した南課長は、車を発進させた。
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