完璧上司は激甘主義!?
聞こえてきた洋楽の音楽。綺麗な車内。そして数センチ隣には、車を運転する南課長。

ちょっと待って。
さっきまでどうして出かけるのかばかり気にしていたけれど……これって本当にデートっぽくない!?
もしかして南課長ってば、家事を教えるなんていうのは建前で本気でデートに誘ってくれていたのかな?

先ほどまでとは違う緊張感に襲われる中、期待で膨らむ自分とは違い、もうひとりの自分が冷静に語り掛ける。
「浮かれるのはまだ早いわよ」って――。
そうだよね、あの南課長が私なんかをデートに誘うわけがない。
でもじゃあ今、この車はどこに向かっているのだろうか。

前方を見つめ、運転に集中している南課長。
そんな南課長に、思い切って聞いてみた。

「あの、南課長。……その、今どちらへ向かっているんですか?」

すると南課長は前方を見つめたまま、少しだけ口角を上げて囁いた。

「……秘密」

……っ!!えぇー!!
なっ、なんですかその“秘密”って!!


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