完璧上司は激甘主義!?
「取り敢えず着替えてくるから、ちょっと待っててくれる?」

「了解!早くしろよな!俺しかいないんだから、化粧直しとかいらねぇから」

「……はいはい」

最後の一言にカチンときつつも、すっかりとご機嫌な斗真に笑みをひとつ零して控室へと向かった。




「で!?未希はなにか俺のこと言っていたか!?」

「……ちょっと斗真。一口くらい飲ませてくれない?」

あれから待ち構えていた斗真と向かったのは、よく三人で来たことがある近くの居酒屋。
完全個室になっていて、壁も厚く隣の声もさほど聞こえてこないし、なにより料理が美味しくてよく利用している。
そこで早速ビールをふたりして注文し、乾杯するとすぐに斗真はもう隠すことなくダイレクトに聞いてきた。

「おう飲め飲め!んで早く未希の話を聞かせてくれ!」

「分かったわよ!」

本当に未希大好きバカなんだから!
ジョッキの半分ほど一気に飲み干し、期待した目で私を見つめる斗真に真実だけを告げた。

「悪いけど未希、斗真の話なんてひとつもしてこないわよ」

「……は?」

さっきまで期待でいっぱいだった目が、カッと見開く。
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