完璧上司は激甘主義!?
誤魔化すように残りのビールを一気に飲み干す。

「何?本当なわけ?あの速見さんに天使ちゃんって言われたとか」

「……だからさっきからそう言っているじゃない」

やっと信じてくれようとしたのか、何やら考え込んでしまった斗真。
名刺がどうとか、麻帆があり得ないとか……。

「でも麻帆がその名刺を持っているってことは、ここに速見さんがいたんだよな?」

「そう。斗真と入れ替わるように帰って行っちゃったけど」

「そうか……」

そう言うとまた顎に手を当てて考え込んでしまった。
その様子になぜか私は緊張してきてしまい、ジッと斗真の言葉を待った。

だけど斗真はすぐに表情を崩し、豪快に笑い出した。

「……ちょっと斗真?」

なんで急に笑ったりしているわけ?

「あれだあれ!きっとリップサービスだよ。営業で慣れてんじゃねぇの?女の口説き文句を」

「リップサービス……」

そう言われると、そんな気がしてくる。
いかにもチャラそうな人だったし。会う人みんなに「天使ちゃん」なんて言っているのかもしれない。

「あまり深く考えない方がいいぞ?営業の人なんだから」

「そう、だね」

きっと名刺をくれたのも、社交辞令なんだよね。
そう思うと妙に納得できる。
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