完璧上司は激甘主義!?
研修が終わって落ち着いてから、一度連絡してみよう。
そう思い、名刺を鞄の中に閉まった時。

「また飲んでいたのか?」

「――え?」

突然聞こえてきた声に、顔を上げる。
聞き慣れた声と、妙に見覚えのあるシルエットに高鳴り出す胸。

数メートル先までは街灯の光は照らし出されず、こちらに向かってくる人物の顔がよく見えない。
でも――……。

「もう忘れたのか?この前の失態を」

ハッキリと顔が見えなくたって間違うはずがない。
この声の主を――。

高鳴る胸を押さえ、声を絞り出す。

「……南……課長?」

こんな時間に、こんな場所にいるのが信じられない。
だけど私が南課長の声を聞き間違えるはずはないよ。
だって大好きな人の声だから。

近付いてくる足音。
そして見えてきたシルエットは、やっぱり南課長だった。
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