完璧上司は激甘主義!?
驚きのあまり固まってしまっている私を残して、南課長はさっさと私の自宅マンションへと向かって行く。
だけど背後から私の気配を感じなかったのか、足を止め怪訝そうな表情を見せて振り返った。

「新、なにしているんだ。早く行くぞ」

「はっ、はい!!」

条件反射のように返事を返してしまったものの、思いとどまる。

いやいや!「はい」じゃないでしょ!

首を大きく横に振り、いまだに怪訝そうに立ち止まったままの南課長の元へと急いだ。
そして南課長の一歩手前で立ち止まり、大きく深呼吸をしてから思い切って聞いてみた。

「あの!どっ、どういう意味なのでしょうか?」

「どういう意味って……なにがだ?」

「なっ、なにがって……!」

沢山聞きたいことはある。
どうして約束もナシにこの時間に来たのか。
どうして私を待ってくれていたのか。
どうして部屋へ行くなんて、言ったのか……。

頭では何度も聞けているのに、言葉としてうまく出てきてくれない。
言葉に詰まっていると、南課長は何かを察したように話し出した。

「……さては新、たった一週間ちょっとで部屋がまた以前のように戻ってしまったから、俺を部屋に上げたくないのか?」

「え?部屋……ですか?」
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