完璧上司は激甘主義!?
『そりゃ変わるんじゃない?もし南課長に恋人がいなかったりしたらさ!』

「それはないと思うけどな」

つい乾いた笑いが出てしまう。

未希の言いたいことも分かる。
私だって未希の立場だったら、きっと信じられないと思うもの。

でもね、私は二度も聞いてしまったんだ。
南課長が聞いたことのない優しい声で、電話越しのショーコさんに語り掛ける声も、部下である私の目の前で隠すことなく堂々とショーコさんの存在を認めてしまった時も。

『とにかく真相を確かめないことには分からないでしょ?だから探ろうよ!南課長の恋人を!』

いつになくテンションが高い未希に、ただ「うん」と返事を返すだけしか出来なかった。

きっと真相を確かめたところで、打ちのめされるだけなんだと思う。
でも――……それでも私は、知りたいかもしれない。

南課長が好きになった人が、どんな人なのかを――。



「新さん、昨日も言ったけど今日の夕方から一組、挙式が入っているの。それで開始時刻が四時なんだけど……残業、大丈夫?」

「はい、もちろんです!」
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