完璧上司は激甘主義!?
【ここで逃げたらダメだよ】
その言葉だけで、私はどうにか会社に来れた。
でも実際に出社してみれば、南課長は今日から三日間急遽大阪へ出張が入っており、戻ってくる日が金曜日なので、ばっちり来週まで顔を合わさずに済んだ。

だから昼休みの今もこうやって、中村さん達とランチに出て来られたんだ。

ふたりの一歩後ろを歩きながらも、ゆっくりと空を見上げれば雲ひとつない青空が広がっていた。

私の気持ちもこの澄み渡る空のように、綺麗に晴れてくれたらいいのに、な。
今の私の心の中は、色々な感情で埋め尽くされていて、厚い雲に覆われているようだ。

始まりは純粋に一目惚れだったんだと思う。
身なりや人目を気にせずにヒーローのように猫を助けた姿に――……。
それから入社した会社でまさかの再会を果たし、運命と言わんばかりに直属の上司となった。

それから毎日同じオフィスで仕事をしていくうちに、ますます好きにさせられた。
仕事熱心で、厳しい。でも優しさも兼ね揃えている南課長に、気持ちは募らされていった。
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