完璧上司は激甘主義!?
何度も瞬きを繰り返し目を擦ってみたものの、やっぱり目の前にいるのは南課長に間違いない。
スーツ姿で大きなボストンバックと紙袋を手にしている。

ちょっと待って。この姿……まさか出張帰り……とか?

信じられないけれど、そうだよね?
いかにも出張から戻りましたっていう格好だよ。
だけど、どうして?
どうして南課長はここにいるの?

信じられなくて、そして分からなくて。
荷物片手に南課長を見つめてしまっていると、南課長は表情を崩さぬまま一歩足を踏み出す。

「抜き打ちチェックに来たんだが……その様子だと、また汚いのか?」

「え……あっ!いいえ!!そんなことありません!!驚くくらい綺麗です!!」

もうズボラな性格は直そうと決めたんだ。
だから南課長に教わった通り実践しては、綺麗な状態を維持できている。

すると南課長は驚いたように目を見開き、感心したように数回頷いた。

「そうか……人は変わるものなんだな」

そうだよ、変われる。
好きって気持ちだけで、人は沢山変われるよ。

だけど今はそれどころじゃない。
聞きたいよ。……どうして南課長がここにいるのかを――……。
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