完璧上司は激甘主義!?
“新 麻帆”

裕介の口からその名前が出た瞬間、少しだけ反応してしまった。

「いや~初めて実物を間近で見たけれど、なかなか可愛い子じゃん?篤人の天使ちゃんは」

「だから前にも言ったよな?新はそんなんじゃないって」

「でも道端で酔っ払っていた麻帆ちゃんを、家まで送り届けたんだろう?友人としてはそれを聞いたら期待しちゃうんだけど。どうなの?あれからなにか進展なんてあったりした?」

今になって裕介に話してしまったことを、酷く後悔してやまない。
たまたまだった。
いつもより遅れて出勤した俺を不思議に思った裕介に詰め寄られ、あまりのしつこさにただ酔った新を送り届けたことを伝えたものの、あの日から俺と新の間になにかあったのではないか、と信じて疑わないのだ。

「あるわけないだろう」

きっぱりと言い捨て、一歩横にずれて歩き出すと、裕介も後を追ってきた。

「またまた~!若い女のこの家に行ったんだろう?なにもないはずないじゃん!」

なにもないはずない……か。
裕介の言うように、なにもないわけじゃなかった。
会社での新からは想像できない汚部屋に驚愕したし。
酔うと手におえないってことも分かった。
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