完璧上司は激甘主義!?
俺を見上げるその顔は、口を開けポカンとしていたものだから、またうっかり吹き出しそうになってしまった。しかも口を開けたまま俺を見つめるものだから、不覚にも“可愛い”とさえ思えてしまった。
そんな自分が信じられなくて、軽くよろめきそうになりシンクに手をついた。

それでも新が俺を見つめたままなものだから、気持ちを紛らわせようといつも思っていたことを聞いてみた。

「珈琲ごちそうさま。……いつも思っていたけど、なにか特殊な方法で淹れたりしているのか?」

「……え?特殊な方法??」

するとやっと俺から視線を逸らし、考え込む姿にバレないようホッと息を漏らす。

だけど新から返事は返ってこなかった。

やべ。もしかしてまずかったのか?この質問。
別に特殊な方法などないのだろうか?でも――……。

「それぞれに当番で淹れてもらっているけど、新が淹れてくれるとなぜかいつも美味しいんだよな」

素直な気持ちだった。
新が淹れてくれる珈琲はいつも特別な気がしていたから。

「え?」

だけど新は予想に反して目をまん丸くしては驚き、先ほどよりも俺の顔をまじまじと見つめてきた。

やべぇ。今の言葉の方がまずかったみたいだ。

咄嗟に視線を逸らしてしまった。

「だから聞いてみただけだ。……別に深い意味などないから」

「はっ……はい」




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