完璧上司は激甘主義!?
「南君、ちょっといいかね」

「……っはい」

新を目で追っていると突然部長に呼ばれ、我に返る。
カップをデスクに置き、すぐに部長の元へと向かう。

「春フェアの企画案だが、そろそろ新入社員にも上げてもらおうと考えているんだが……どう思う?」

春のウエディングフェア。
そっか。季節はやっと夏が過ぎようとしているというのに、もう仕事では半年先のことを考えなくてはいけない時期なんだな。

「いいと思います。サロンからの報告によりますと、四人とも研修は就実していたようですし、そろそろかと」

「そうだよな。では今回から参加させてみよう。指導云々は君に任せるから」

「……分かりました」

頭を下げると、部長は取引先との打ち合わせがあるからと言って、オフィスを出て行った。

やっぱり俺に任せっきり、なんだよな。
もしかしたら部長なりに、俺に人を育てることを覚えさせようとしているのかもしれない。
そう思っていた時もあったが、最近ではどうもそうは思えないんだよな。

指導ならまだしも、面倒な雑務や会議、出張などはなにかしら理由をつけては押し付けられている感が否めない。
これも仕事のうちと思えば割り切れるけれど、そうもいかない時もある。
< 244 / 410 >

この作品をシェア

pagetop