完璧上司は激甘主義!?
「ねぇねぇ、今度新さんをランチに誘って聞いてみようよ」

「そうだね、案外ケロッと話してくれるかも――……っ南課長!?」

「あ……お疲れ」

いつの間にかふたりは給湯室から出てきており、その前に身を潜めていた俺に気付く。
咄嗟に「お疲れ」と言ったものの、気まずい雰囲気に包まれる。

そりゃそうだよな。
俺に話を聞かれていたかもしれないという時点で、ふたりにとったら気まずいよな。

「ほどほどにして帰れよ」

「あっ、はい!!」

声を掛けそのまま給湯室へと入り、珈琲を淹れる。
少しして振り返れば、ふたりの姿はなかった。

「なんとか誤魔化せたか」

大きな息が漏れると同時に、自分で淹れた珈琲を口に含む。

「……やっぱり美味しくないな」

フッと声が漏れてしまう。
こんな時まで新のことを考えてしまう俺は、重症なのかもしれない。
ただの部下なはずなのにな。
こうやって珈琲を飲むたびに、新の淹れてくれた珈琲の味を思い出してみたり、ふと新のことを目で追ってしまったり……。

これじゃまるで俺が新を意識しているようじゃないか。
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