完璧上司は激甘主義!?
「そのお言葉、先生にしっかりとお伝えしますね」

先生……?
そっか。このドレスをデザインした人だよね?

「よろしかったらご試着なさいますか?」

「……えっ!?」

「きっとお似合いになると思いますよ」

にっこりと微笑む男性に、慌てて両手を振った。

「とっ、とんでもございません!……それにすみません。私……全く式を挙げる予定なんてないんです」

「――え?」

店内まで入っておいて今更な気がしたけれど、ここまで言われたら正直に話さないわけにはいかない。

「ただ単純にドレスに視線を奪われてしまっただけなんです」

あまりにも素敵なドレスだったから……。

「そうだったのですか。……それではますますドレスをご試着して頂きたいのですが」

正直に話したあと、男性から返ってきた言葉は意外なものだった。
驚き男性を見つめると、男性は先ほどのように目じりに皺を作って微笑んだまま私を見つめていた。

「よく皆さんはドレスを着てしまうと婚期を逃してしまうと言いますが、先生のドレスには素敵なジンクスがあるんです」

「ジンクス……ですか?」

「はい。先生のドレスを着て式を挙げた方は一生幸せになれる、と。……それに先生のドレスを試着すれば、運命の人と出会えるというジンクスもあるんです」
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