完璧上司は激甘主義!?
「……大高さん?」

どこか敵意が感じられる言葉に名前を呼ぶものの、一向に大高さんの視線の先は南課長のまま。
どことなく気まずい空気が流れる中、大きく息を吐いたのは南課長だった。

「分かりました。一度失礼させて頂きます」

そう言うと南課長の視線の先は、なぜか私に向けられた。
その瞬間、トクンと胸が鳴る。

「新、終わったらすぐに報告にくるように」

「……は、い」

先ほど同様、いつもよりワントーン低い声に心が震えた。
そのまま南課長は応接室を出て行ってしまい、ドアの閉まる音が異様に響く。
すると大高さんは掴んでいた腕をやっと離してくれた。

「すみません、突然会社まで来てしまって。……迷惑かけてしまいましたね」

そしてすぐさま頭を下げてきたものだから、慌てて手を振った。

「そんな頭を上げて下さい!全然迷惑とかではありませんから!……まぁ、正直に話せばいまだに頭の中は混乱していますけど」

正直に話すと、大高さんは困ったように笑った。
だけどその顔を見た瞬間、やっぱり大高さんが高畑ミミなのだと認識させられる。

本当なんだ。……本当に大高さんが高畑ミミだったんだ。

信じられないけれど、信じるしかない。
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