完璧上司は激甘主義!?
「すみません、悪意があって名乗らなかったわけではないんです。……たまに無性に直にお客様に接したいときがありましてね。あの日のように本名で店に出るようにしているんです」
「そうだったんですか……」
理由に納得しながらも、どうしても腑に落ちないことがある。
「あの……それでどうして今日はわざわざここに……?」
ずっと気になっていた。
だってずっと素性を隠してきたんでしょ?なのに、どうして――?
すると大高さんは私との距離を詰め、視線を合わせるように膝を曲げては顔を覗き込んできた。
「それはもちろん、新さんのお力になりたいと思ったからですよ。……それに新さんの話を聞いて僕も初心に返ってみたくなりました」
「初心に……ですか?」
「はい」
そう言うと私から離れ、ソファーの上に置いてあった鞄の中から書類を取り出した。
「新さんと話してから、昔のことを思い出していました。……昔は僕も新さんのようにただ純粋にドレスのデザインを考えるのが楽しくて、いつか沢山の人に自分が手掛けたドレスを着て幸せになってもらいたいと思っていました。……でも、その気持ちも最近では忘れてしまっていました。とにかく注文が殺到していまして、嬉しい反面、なんのためにドレスを作っているのかさえ分からなくなっていたんです」
「そうだったんですか……」
理由に納得しながらも、どうしても腑に落ちないことがある。
「あの……それでどうして今日はわざわざここに……?」
ずっと気になっていた。
だってずっと素性を隠してきたんでしょ?なのに、どうして――?
すると大高さんは私との距離を詰め、視線を合わせるように膝を曲げては顔を覗き込んできた。
「それはもちろん、新さんのお力になりたいと思ったからですよ。……それに新さんの話を聞いて僕も初心に返ってみたくなりました」
「初心に……ですか?」
「はい」
そう言うと私から離れ、ソファーの上に置いてあった鞄の中から書類を取り出した。
「新さんと話してから、昔のことを思い出していました。……昔は僕も新さんのようにただ純粋にドレスのデザインを考えるのが楽しくて、いつか沢山の人に自分が手掛けたドレスを着て幸せになってもらいたいと思っていました。……でも、その気持ちも最近では忘れてしまっていました。とにかく注文が殺到していまして、嬉しい反面、なんのためにドレスを作っているのかさえ分からなくなっていたんです」