完璧上司は激甘主義!?
自分で言っておきながら、悲しくなってきてしまった。
もう充分理解していたはずなのに、こうやって悲しくなってしまうのは、きっと私はまだ南課長のことが好きだからだ。

消したい想いほど消せないのは、なぜだろう。
ただ辛いだけなのに。

「では、まだまだ僕にもチャンスがありますね」

「えっ?」

その言葉に、大高さんの言葉が頭をよぎる。

そういえばさっき、大高さんってばさらりと、とんでもないことを言っていなかった?
私に惹かれた、とか。

ふと視線を感じ顔を上げれば、まるで愛しい人を見つめるかのように微笑んでいたものだから、思わず視線を逸らしてしまった。

うっ、嘘だよね?
だって一度しか会ったことないし!
きっとこれも社交辞令のうちのひとつなんだよね!?
頭の中では必死にそう思おうとしているのに、それを心は許してくれない。
激しく動揺させられている。
それはきっと、いまだに大高さんの甘い視線を身体中で感じてしまっているから。

「僕はあなたと恋愛をしたいと思っています」

ドクンと鳴る心臓。

「あの日から新さんのことばかり考えてしまっていました」

もう大高さんの言葉が、社交辞令だとは思えない。
だからこそ困る。
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