完璧上司は激甘主義!?
「まぁ、なにはともあれ少し悔しいが運も実力のうちっていうからな。胸を張っていいと思うぜ。……頑張れよ」
「……ありがとう」
差し出されたグラスに、自分のグラスを当てると言い音が響いた。
“運も実力のうち”
斗真のように、その言葉だけで片付けてもらえるのだろうか。
微かに不安を覚えながら次の日出勤すると、少しだけ予感していたことが見事に的中してしまった。
「おはよう」
いつものように田村さんと中村さんに、挨拶をしただけだった。
だけどふたりから返事が戻ってくることはなかった。
ふたりして目配せをしては「行こう」と言って私から離れていく。
去り際、田村さんは何度も振り返っては気にかけてくれているようにも見えた。
その様子から見て、納得いかないと思っているのは中村さんの方のようだ。
「……当たり前、か」
言葉と共に大きな溜息が漏れてしまう。
だけどなにも言い返すことなど出来ない。
だって中村さんの気持ちは、痛いほど分かるから……。
私だって中村さんの立場だったら、同じような態度を取ってしまうかもしれない。
みんな頑張ってきた。
斗真も田村さんも、そして中村さんも。
初めて企画の仕事をさせてもらえたんだもの。みんな気合いも充分だった。
「……ありがとう」
差し出されたグラスに、自分のグラスを当てると言い音が響いた。
“運も実力のうち”
斗真のように、その言葉だけで片付けてもらえるのだろうか。
微かに不安を覚えながら次の日出勤すると、少しだけ予感していたことが見事に的中してしまった。
「おはよう」
いつものように田村さんと中村さんに、挨拶をしただけだった。
だけどふたりから返事が戻ってくることはなかった。
ふたりして目配せをしては「行こう」と言って私から離れていく。
去り際、田村さんは何度も振り返っては気にかけてくれているようにも見えた。
その様子から見て、納得いかないと思っているのは中村さんの方のようだ。
「……当たり前、か」
言葉と共に大きな溜息が漏れてしまう。
だけどなにも言い返すことなど出来ない。
だって中村さんの気持ちは、痛いほど分かるから……。
私だって中村さんの立場だったら、同じような態度を取ってしまうかもしれない。
みんな頑張ってきた。
斗真も田村さんも、そして中村さんも。
初めて企画の仕事をさせてもらえたんだもの。みんな気合いも充分だった。