完璧上司は激甘主義!?
「分かった。すぐに俺まで上げるように」

「はい」

当たり前だと分かっている。
だけど今、こうやって目の前で淡々と目の前で業務連絡かのように資料を見ながら話す姿に、胸が痛む。
少し前までは、私の家に来てくれて、笑ってくれていたのに、な。

会社以外での彼の姿を知ってしまったからこそ、余計に胸が痛むのかもしれない。

「失礼します」

このまま視界に南課長を映しているのは辛い。
頭を下げ、自分のデスクに戻ろうとした時、なぜか「新」と呼び止められてしまった。

「……はい」

すぐに顔を上げると、さっきまで資料を見ていたのに今は私の姿をしっかりと捉えられていたものだから、ドキッとしてしまった。

「大高さ……いや、高畑さんとはいつ打ち合わせするか決まったか?」

急に呼び止められたから、変にドキッとしてしまったけれどそっか……。やっぱりただの業務連絡だよね。
ちょっとでも期待してしまった自分が恥ずかしい。

「まだ決まっていません。だけど一週間以内には一度打ち合わせして頂く予定になっています」

複雑な感情を隠すように淡々と伝える。

「そうか。……じゃあ決まったら教えてくれ。俺も一緒に行くから」

「――え?」

南課長も一緒に行く?
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