完璧上司は激甘主義!?
入社してそろそろ半年……。
こんな中村さんの姿を初めて見たかもしれない。……でもそれだけ中村さんにとっても、今回の仕事には強い思い入れがあったって証拠。
だから余計に苦しいよ――。
未希に言われて頑張ろうって思っていたからこそ、余計に……。

隣にいる田村さんはどうしたらいいのか分からず、おろおろしながら中村さんと南課長を交互に見つめている。
そんな中、南課長はまた淡々と言い放った。

「そうだ。……悪いが中村、会社とはそういったものだ。それぞれにとって理不尽なことがあって当たり前。……それでもみんな頑張って仕事をしている」

「……そんな」

中村さんの表情が歪む。
その姿を見せられては、もうとてもじゃないけれど話を聞いていることなど出来ない。
このままバレないようそっとこの場から立ち去ろうとした時、また会議室内から聞こえてきた声に足が止まってしまった。

「だけどな、努力はきっと報われる。今回中村が頑張った分、いつか報われる日がくると俺は思う」

南課長……。

「それに中村が納得いかないって思っているのなら、その気持ちは新にも伝わっているんじゃないか?……それでも新は企画を進めている。その気持ち、同期のお前達になら分かるよな?いま、新がどんな気持ちでいるのかを」

南課長……っ!

思わず声が出そうになってしまった。
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