完璧上司は激甘主義!?
まさか南課長がそんな風に言ってくれるなんて、夢にも思わなかったから。

「中村にも、そして田村にもきっとチャンスはくる。……今回は新にきただけだ。でもその分新はプレッシャーもあると思うし、中村達に後ろめたい気持ちを抱えていると思う。……今のまま新を放っておいていいのか?同期として」

南課長の言葉に、涙が出そうになってしまった。
信じられないくらい優しい言葉。
上司として、ひとりの人間として。……そして異性として、好きの気持ちを増殖させられる。

私、やっぱりだめだよ。
南課長のことが好き。諦めようと思った。
自分の気持ちさせ伝えることができれば、きっぱり諦められると思っていた。
だけどそんなの、無理なんだ。
好きって気持ちは簡単に消せないよ――……。

涙を堪えていると、代わりに鼻水が垂れそうになってしまい咄嗟にズズッと啜ってしまった。

やばっ!!

見つかったらマズイ。
そう思い、慌ててこの場から立ち去ろうとした時「新……?」と呼ぶ声に、動けなくなる。

ずっと見せられていた背中。
私の名前を呼ぶ声と同時に振り返り、真っ直ぐこちらへ向かってくる。

「あ……」

もちろん中村さんも田村さんも私の存在に気付き、ふたりとも気まずそうに視線を落とした。
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