完璧上司は激甘主義!?
「本当にぃ?怪しいな~。だって南課長が触れていたんだよ!?」

「そうだけど……」

それはきっと、ただの部下としての感情しかないと思う。
ただ単に、みんなとちょっとだけ気心が知れているからとか、そんな理由でしかないんだよ。

放っておいたら、このままずっと責め立ててきそうなふたりに、つい言ってしまった。

「私、実は南課長にとっくに振られているから」

「エへへ」と笑いながら言ったものの、一気にふたりの表情は強張ってしまった。

やっぱそうなっちゃうよね。でも本当のことだし、変に誤解されて南課長に迷惑かけちゃったら嫌だもの。

「ずっと好きだったんだ。……ごめんね、言わないでいて」

「あ……ううん、そんなことないよ」

「こっちこそごめん」

再び気まずい雰囲気に包まれてしまった。

当たり前だよね。
私がふたりの立場だったとしても、こんなぶっちゃけ話されたって困るだけだもの。

「でもね、全然今は平気だから!……それに振られてもやっぱり好きだから」

さっきみたいなことをされてしまったら、余計に嫌いになんてなれないもの。

「内緒ね」

おどけて言ってみせると、ふたりは顔を見合わせる。
そしてふたりとも困ったように少しだけ微笑んだ。
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