完璧上司は激甘主義!?
図星にドキッとしてしまう。
だけどうまく言葉が出てこない。

やっぱりまずかったよね。大切な打ち合わせに私情を挟んでしまって。
話なら、プライベートで会ってすればよかったのに――。

「あの……」

すぐに謝ろうとしたけれど、大高さんの声によって遮られてしまった。

「僕としてはラッキーですけどね」

そう言うと大高さんは、まるで少年のように笑った。

「取り敢えずお掛けになって下さい。立ったままではお話も出来ません」

「……失礼します」

大高さんに促され、ふかふかのソファーに腰を下ろす。

「この前、美味しいと言って頂けたので、ついまた淹れてしまいました」

優しそうに笑う大高さんの笑顔は、やっぱり素敵だなって思う。

「ありがとうございます」

だから正直、いまだに信じられないでもいる。
こんなに素敵で、そして才能がある人がどうして私なんかを?って。
華やかな世界に決まっている。
そんな世界にいたら、私なんかより素敵な人なんてきっと星の数ほどいるはず。
なのに、どうして私なのだろう……。

考えが巡る中、差し出されたハーブティーを口に含む。
その美味しさはこの前と変わらない。やっぱり美味しくて少しだけ心を落ち着かせられる。

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