完璧上司は激甘主義!?
永井さんが結婚……。
相手はもちろん南課長……だよね?

バクバクと高鳴り出す心臓。
歩くスピードは次第に落ちていく。

そんな……結婚だなんて……。

好きでいたい。
でもそれは相手が結婚していないから言える言葉であって、結婚してしまった相手に同じ言葉を言える?

「あっ!噂をすれば!」

田村さんの言葉に、一層胸が高鳴り出す。

「本当だ!……やっぱりお似合いだよね!美男美女だし」

やだ。……ふたりのツーショットなんて見たくない。
ふたりもふたりだよ。
私の恋、応援してくれるって言っていたのに、美男美女でお似合いなんて言うなんて。

胸が痛い。
見たくない。ふたりがこの前見たように仲睦ましく寄り添う姿なんて、一生見たくない。

「新さんも見てよ!お似合いだと思うでしょ?永井さんと営業の速見さん!」

――え?

永井さんと……速見さん?
南課長じゃなくて?

信じられなくて、立ち止まったまま田村さんを見つめてしまっていると、そんな私を見た田村さんは我慢できなくなったように吹き出した。

「新さんってばどうしちゃったの?唖然として。……もしかして隠れ速見ファンだった?」

「あ……違くて、その……本当なの?その話」
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