完璧上司は激甘主義!?
するとなぜか鋭い眼差しを向けれた。

「却下。……新に話があるから」

「――え?」

話……?南課長が私に?

ジッと南課長を見つめてしまっていると、南課長はバツが悪そうに視線を逸らした。

「とにかく俺の家に行くから。……手当てもしてやりたいし」

「……は、い」

どうしよう。
ドキドキがうるさくて、隣にいる南課長に聞かれないか心配。

どうしてこうも南課長は私に期待させるようなことばかり言うのだろう。
潔癖症なのに、汚れた私の身体を支えてくれたり、自宅に招き入れてくれようとしたり。……話がある、なんて言い出したり。
嫌でも期待しちゃうよ。
もしかしたら南課長は、本当に私と同じ気持ちでいてくれているのではないかって――。

ドキドキとうるさい心臓を押さえながら、南課長の自宅へ向かいタクシーに揺られていった。




「おじゃま……します」

十階建てのオシャレなマンション。
その八階の角部屋が南課長の自宅で、促されるまま玄関先に一歩足を踏み入れた。

すぐ後ろには南課長がいて、玄関の鍵を閉める音が耳に届いてきた。

どうしよう……。
こんなに緊張しているのは、人生で初めてかもしれない。
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