完璧上司は激甘主義!?
だけどそんな考えは間違いだったようで、南課長の怒りを含んだ声がオフィス内に小さく響いた。

「それが分からないようじゃ、まだまだ半人前だ!……いいか、まずすぐに修正案を出せ。今回の場合、どこに謝罪をし、どこにお願いすればいいのか。それくらい分かるよな?」

半ば脅しとも聞こえる内容に、田村さんは顔を強張らせながら何度も頷いた。

「すぐに動きます!」

そして力強く答えると、“それが正解だ”と言わんばかりに南課長は少しだけ表情を崩した。

「これが片付いたらフォローする」

そう言うと「行け」と言わんばかりに、手を振る南課長。
そんな南課長に少しだけ驚きながらも、威勢よく返事を返し、田村さんは自分のデスクに戻るとすぐさま取り掛かった。

さっきまで静まり返っていたオフィスも、いつもの少しだけ騒がしい雰囲気へ戻っていく中、私だけはいつものペースで仕事が出来ずにいた。

田村さんがどんなミスをしたのか、仕事中だし聞けに行けない今、分からない。
それも気になるけど……それより私が気になったのは、さっきの少しだけ笑った南課長だった。

「あんな顔もしちゃうんだ」

騒がしいオフィスにかき消されていく私の声。
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