完璧上司は激甘主義!?
「泣くなよ」

「だっ、だって……!」

こんなの泣きたくもなるよ。
だって南課長が好きって言うんだもん。泣かない方がおかしいよ。

溢れてくる涙を、南課長は一粒一粒拭っていく。

「逆に聞きたい。……本当に新は俺なんかを好きなのか?」

「――え?」

どういう意味?

すると南課長は私の涙を拭いながら、困ったように笑った。

「だってそうだろう?自他ともに認める潔癖症だし、仕事が生きがいなつまらない男だぞ?……それに新よりずいぶん歳を取っているしな」

「そんなっ……!」

「もっと他にいい男がいるかもしれないのに、こんな俺でいいのか?」

南課長……。

仕事真面目で、厳しくて。
社内では潔癖上司なんて言われているのに、こんな風に弱音を吐く姿を見せられてしまったら、また好きになっちゃうじゃない。

「南課長は分かっていません」

「え?」

涙を拭ってくれていた手は止まり、私を見つめてくる。

「私は南課長が好きなんです。……南課長は覚えていないかもしれませんけど、私、会社説明会の日、近くの公園で猫を助ける南課長に一目惚れしてしまったんです。名前も知らない南課長のことを入社するまでずっと想っていました。……そんな南課長と上司と部下として再会できたときは、どんなに嬉しかったか……」
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