完璧上司は激甘主義!?
そうだった。斗真は午後から先輩について、得意先へ挨拶に行っていたんだっけ。

同じ同期と言っても、やっぱり男と女じゃ仕事の内容も変わってくる。
きっと斗真は会社から期待されているんだろうな。

この時の私は呑気にそんなことを考えながらも、さっきの田村さんの一件が頭の中を占めていて、昼休みの出来事など頭の片隅へ追いやられてしまっていた。

「ねぇ斗真。……あのね、斗真が外に出ている間に田村さんが南課長に叱られていたの」

「え……田村さんが?」

きっと斗真は今、私が思ったことと同じことを考えているんだろうな。

「うん。どんなミスしたのかは分からないんだけど、三時間ほど前に出て行ったきり、まだ戻ってきていないんだよね」

他人のミスを知らない人に話すのは、よくないことかもしれない。
でも私も斗真も田村さんとは同期だし。
それに願ってしまっているのかもしれない。
斗真は中村さんとは違うって。私と同じように感じてくれるって。

だけどそう思っていたのは私だけだった。

「もしかして麻帆、それでこんな時間まで残っていたのか?」

「うん、そうだけど……」

すると斗真は目を丸くさせ驚く。
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