完璧上司は激甘主義!?
「このドレス、新さんをイメージして制作しました」

真っ白ではなくクリームがかった淡い色を基調として、バッグに大きなリボン。それと胸元には真珠が散りばめられている、なんとも可愛らしいデザイン。
とてもじゃないけれど、私には似つかないと思うのだけれど……。

「あの……どうしてお忙しいのに、制作して頂けたのですか?」

部長に聞かされた時からずっと聞きたかった。
すると大高さんはゆっくりと私の元へと近づいてきた。

「その答えは簡単です。……さっきも言いましたが、新さんに喜んで欲しかったんです」

喜んで欲しかった?

「それとまぁ……正直に言いますと、やましい気持ちが半分以上占めていたりします」

「――え?」

“やましい”という言葉に過剰に反応してしまうと、大高さんは可笑しそうにクスクスと笑い出す。

「新さんから見たら僕は諦めの悪い男かもしれませんが、このドレスを見て新さんの気持ちが少しでも揺らいでくれたら、と淡い期待を抱いています」

数センチ先で立ち止まると、目を細めて微笑んだまま私を見つめてくる。

「こうやって一緒に仕事をしてきましたが、気持ちは消えてくれそうにありません」

「大高さん……」



< 385 / 410 >

この作品をシェア

pagetop