完璧上司は激甘主義!?
「むっ、迎え!?」

ちょっと待って!!
全く話についていけないんだけど!

テンパる私を他所に、南課長はいつの間にか朝食を全て食べ終え、使った食器を持って立ち上がった。

「一度帰ってから出社するから。会社には遅れることを伝えてある。だけど新はちゃんと通常時間に出社しろよ」

業務連絡を伝えるように淡々と言いながらも、キッチンへ向かい手際よく素早く洗い物を済ませると、南課長は帰り支度を始めた。
そしてジャケットに腕を通し、ビジネスバッグを手にした時やっと現実に戻れた私は、すぐさま立ち上がった。

「まっ、待って下さい!ちょっとよく意味が分からないのですが!」

そうよ。いきなり“教えてやる”って言われたって、困る。
しかもなんで?
こんな一面を見せられてドン引きしなかったの?

「それは新も遅れて出社したいってことか?」

「ちっ、違います!!もちろん会社には普通に行きます!……その、私が言いたいのはですね……っ」

「土曜の午後一時だ。ちゃんと準備しておくように」

有無を言わさんと言わんばかりに言葉を遮り、さっさと玄関へと向かっていく南課長。
慌ててその後を追い掛けるものの、私に聞く隙を与えてくれることなく、部屋から出て行ってしまった。
< 81 / 410 >

この作品をシェア

pagetop