完璧上司は激甘主義!?
「なっ、なによ!」

変に感付かれないよう視線を逸らし、酷く喉の乾きを覚えコップに手を伸ばせば、すぐに斗真は鋭い言葉を言ってきた。

「まさか南課長と一晩を共にしたのか?」

「ぶーっ!!」

「うわっ!なにすんだよ!汚ねぇな!」

斗真はきっと冗談で言ったんだと思う。だけど当の私は、それが冗談で済まされないのだから、水を吹き出して当たり前だ。

目の前では斗真が水のかかったシャツを、懸命に拭いている。

「ごっ、ごめん……」

私もまた自分の口をおしぼりで拭きながら、どう言い訳したら良いのか必死に考えるものの、良い言い訳が思いつかない。

「なに?まさか図星とか言うんじゃねぇだろうな?」

拭き終えた斗真が、鋭い視線を送ってくる。

「いや、図星っていうか、なんというか……」

半分図星って言えばいいのかな?

「なんだよ、そんな風に言われたら気になるんだけど」

何かあったと確信したのか、さっきよりも身を乗り出し真剣な面持ちで問いかけてくる斗真。

どうしたものだろうか。
斗真は私が南課長を好きなことを知っているけど……。
こんな生々しい話、しちゃってもいい?
でも、斗真も南課長と同じ男性。もしかしたら南課長に近い意見を聞けるかもしれない。
昨夜からの私の失態の数々を見て、どう思ったのかを――……。
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