LOVEPAIN⑤


「そう。

でも、もし広子ちゃんがこのあつし君の事を好きならば、
私のサインなんか渡しちゃダメだよ」



「えっ?」



えっと、それは……


私が篤の事を好きだと言う事に誤解があるが、


もし、私が篤を好きならば……



みかちゃん、優しい子だなぁ



もし私が篤を好きならば、

みかちゃんのサインを貰って喜ぶ篤を、
私は見たくないかもしれないな





「じゃあ」


そう言って、みかちゃんは先にエレベーターに乗り込んだマネージャーの後を追い、

その横へと立つ




「あの、私、みかちゃんのサインを渡す事で、
彼と会えるきっかけが欲しくて。

だから、なんかごめんなさい…」



みかちゃんがあまりにもいい子で、

こんな風に利用している事に罪悪感を感じてしまった




「うん。頑張って」


最高の笑みを見せて、
エレベーターの扉は閉まった




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