私は彼に愛されているらしい
顔も赤くなっているし心臓だって痛いくらいに強く跳ねているけど逃げ場がないんだ。

「みちる。」

「…はい。」

何も言えないでいるともう一度名前を呼ばれ、私は何とか声を絞り出した。

アカツキくんの声に答えた、それだけで満足したのか彼は満面の笑みを浮かべる。

しかしすぐに表情は引き締まりまたも私をそのまっすぐな視線で射抜いた。

そして。



「結婚しよう。」



アカツキくんの声にも射抜かれたんだ。

完全に固まってしまった頭と体で現状を把握しようと頑張ってみる。

いま、何て言ったのだろう。

ううん、ちゃんと聞こえていたし何を言われたのか文字としては理解できいる。

でも気持ちが付いていかなかった。

アカツキくん越しにリビングに続く扉が半分空いているのが見える。

そこから入ってくる光だけがこの寝室を照らす灯りだ、でもお互いの表情は確かに見えていた。

アカツキくんは冗談を言っているような顔じゃない。

少し怖いくらいの真剣な表情だ。

「俺、前にも言った事あるでしょ。結婚しようって。やっぱちょっと軽すぎたかなと思っててさ。」

見惚れてしまう私が大好きなアカツキくんの顔に少しだけ柔らかさが加わる。

ああ、なんて心拍数を上げる魅力なんだろう。

そんなズルい武器を持っているのに破壊力のある言葉を告げないでほしい。

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