ブンベツ【完】


「コンビニでなにか買って来ますよ。何がいいですか?」

「どこまであんた奴隷スタンスなんだよ。昼飯素麺でいいな?」

「奴隷スタンスって…」


奴隷になった覚えはないです。
鼻で笑ってからかわれたし。

結局、奴隷スタンスらしい私はカイさんに命じられて麺を茹でた。
2人でエアコンの涼しい部屋で今日もテレビを何と無く見ながら素麺を啜った。


美味しかったからヨシノさんに感謝した。
美味しい素麺ありがとうございます。

だけどお昼を食べた所為か寝不足という更なる追い打ちをかけられ、瞼が重くなって来た。

テレビの音がいい響きで私を眠りへといざなってくる。
瞼が落ちてくるのを必死に堪えてるけど、開ける力も入ってこない。

ダメダメ起きて。
まだまだやることあるしここで寝ちゃダメだ。
食器洗ってお店に立たなきゃいけないのに、寝に来たんじゃなくて。


「朝から顔色悪ぃんだよバカ。少し寝ろ」


なんてカイさんの声が遠くから聞こえた。
コクコクと首が定まらなくて意識がスレスレの中、頬に添えられた煙草の匂いを纏う手の感触を感じると同時にグラッと世界が揺れた。


「ハナ」


誰かが私の名前を呟いたのを切れ目に、意識はプツンと途切れた。

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