ブンベツ【完】
いったい、いつから?
何でこんなことに?
カイさんの寝息が目元に触れる。
密着してる所為で心臓が暴れ回って思考すら止まってどうしていいのか分からない。
すごくドキドキするけど、すごく幸せを感じる。
カイさんの腕の中がすごく優しくて、ずっとこういしていたいなんて欲が出てくる。
それでも私たちはただの仕事仲間みたいなもので、関係はそれ以上でもそれ以下でもない。
恋人になるなんて夢のまた夢で、カイさんは雲の上の人。
私なんてただの子供にしか思われてないんだろう。
だからせめてもう少し。
たまたま巡って来たこの幸福にもう少し甘えていたい。
目が覚めてきっともうこれが夢であったかのように思う現実に会うことを、寂しく感じながら誤魔化すようにカイさんのシャツを握ってすり寄った。
「今日は随分甘えただな」
不意に発せられた言葉が寝言にしては呂律がはっきりしてると顔を覗けば、
「…ッ!お、起きてたんですか!?」
意地悪に笑うカイさんだった。