私と彼と――恋愛小説。
もしこの男なら…そう告げながら私の目の前にタブレットの画面を見せる。


検索には、ずらりと佐久間の名前が並んでいた。


「凄いですね…」


「ああ、広告賞やら総ナメの敏腕プランナーってとこか…何でこんな奴が携帯で小説なんて書いてんだよ」


「さあ…そこら辺はなんとも」


「読めない男だなぁ。アレをこんな奴が書くのか…」


「ですね…」


谷女史はどうにも納得がいかないと云った風にタブレットを見つめたままだった。やはり私同様、作品と彼が繋がらないのだと感じる。


そろそろ戻ろうと言いかけた時、私の携帯がメールの着信を伝える小さな電子音を響かせた。


「噂をすれば…ですね。20:00だそうです、場所は…スタジオみたいですね」


「そうか、楽しみだな。どんな条件出してくるかね」
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