誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・この家の中では絶対にしないと、心に誓っていた。


 結果的に二股みたいな行為を続けているとはいえ、最後のモラルだけは守っていたかった。


 ・・・はずなのに。


 太陽が沈み、外の風は冷たくなる季節なので、窓も閉められた。


 玄関に加えて、この部屋のドアにも鍵がかけられた。


 二重に施錠された空間で、私はさらなる罪に手を染めようとしている。


 「力を抜いて」


 首筋に触れた唇が、少しずつ下へと移動していく。


 「いや・・・!」


 たまらず身をよじらせた。


 「たっぷりお仕置きをしてあげる」


 「そんな・・・」


 ほんの少し前まで、私を支配し続けていたモラルと罪悪感の全てを崩してしまうほどの快感と充実感が。


 寄せては返す波のように、絶え間なく私に押し寄せている。


 どうしてあんなに本音を封印していたのかと、自分自身が馬鹿馬鹿しくなるくらいに。
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