誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「おーろら号・・・」


 依頼された通り、私は膨大な画像を撮影場所ごとにファイルに小分けして分類した。


 和仁さんは暗室で、高感度フィルムで撮影した画像を現像中。


 その間私は、デジカメ撮影分の画像区分に夢中になっていた。


 和仁さんと一緒に、旅している気分に浸りながら。


 やがて作業が終わり、時計を見上げた。


 そろそろ午後五時。


 辺りは薄暗くなってきた。


 春分の日を過ぎて、冬よりもはるかに日は長くなってきているけど、北海道の春は遅い。


 気温も下がってきた。


 佑典は今頃、オーケストラ部の謝恩会開始寸前だろう。


 スタートは早く、五時からだった。


 「問題はない?」


 暗室から和仁さんが出てきた。


 「はい。終わりました」


 「慣れれば簡単だったかな? ご苦労様」


 和仁さんは私の肩に触れながら、パソコン画面を覗き込んだ。


 「デジカメでいつもつい夢中になって撮りまくって、後から画像の整理が面倒くさくなるんだ。だからそういうのを手伝ってくれる、弟子がいつもいてくれたらいいんだけど」


 「弟子ですか」


 「そう。弟子」


 背後から腕を絡ませてきた。
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