誘惑~初めての男は彼氏の父~
 「そうなんですよね…」


 シンデレラは期限は午前零時であると最初から知っていたけど、私は魔法が解ける期限がいつになるか知らずに、夢の世界に留まっている。


 万が一佑典が予定より早く帰宅したら、私は逃げ出さなければならない。


 その頃すでにJRも最終列車は出ているだろうから、和仁さんの車が唯一の頼みの綱。


 飲酒運転して発覚したら、業務に多大なる支障をきたすこともあり絶対許されない。


 それゆえ和仁さんは大好きなワインを今夜は我慢して、私のためだけに注ぐ。


 「はい」


 グラスを渡された。


 「ありがとうございます」


 欧州産のロゼワインを口に含む。


 香ばしい風味。


 一気に飲み干して、グラスをテーブルに置く。


 甘いムード。


 重なる視線。


 そして唇。


 もう止められない。


 「和仁さん」


 禁断の、彼氏の自宅の居間。


 そこで私は、彼氏の父親と…。
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