誘惑~初めての男は彼氏の父~
 ・・・。


 「和仁さん・・・」


 腕の中でその名をつぶやく。


 彼氏の居ない家、彼氏の父親のベッドの中。


 これまでにないくらい、快感に震えて乱れて。


 「キスしてください・・・」


 燃え尽きるほど抱き合ったはずなのに、私はまだ更なるぬくもりを求めている。


 「こんなに贅沢を覚えたら、もう彼氏とはできなくなるよ」


 「そんなことありません。あ・・・」


 私の要求に応じて、和仁さんは強引に唇を重ねてきた。


 キスだけではなく、再び私の体を反応させようと・・・。


 「いや・・・。もうだめです」


 「誘ってきたのは、理恵のほうだよ」


 「私、そんなつもりじゃ」


 「キスだけでいいの?」


 「・・・」


 「朝までこうやって、抱きしめ合っていよう」


 「和仁さん・・・」


 暦はもう三月の下旬とはいえ、夜も更けてきて肌寒い部屋の中。


 抱き合う肌は熱を求め合い、夜を焦がすようだった。
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