誘惑~初めての男は彼氏の父~
 いつしか二人同時に、眠りに落ちたようで・・・。


 しかし時折目が覚め、視線が重なる度に口づけを交わす。


 そんなことを延々と続けているうちに、日付も変わっていたようだ。


 裸のまま抱き合い、共に過ごす夜。


 部屋の中のみならず、辺りも沈黙に包まれていた。


 しかし・・・それは夜更け過ぎのことだった。



 バタン!


 突然の凄まじい物音に、静寂は破られた。


 「何・・・」


 ドアが強い力で閉められるような物音だった。


 しかもこの家の、かなり近くで。


 (まさか)


 甘い夜の中まどろんでいた私は、一気に現実に引き戻された。


 佑典が帰ってきたのかもしれない。


 今の音は・・・タクシーのドアを閉める音?


 私は思わず和仁さんを見つめると、和仁さんも同じことを考えていたようで。


 私の肩を抱いた後、タオルを羽織ってカーテンの隙間から外を眺めた。
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